■革の用意

用意した革の裏(床)をトコノール液体を塗って乾く前に磨きます。パーツごとに切り出した後からでは革が延びてサイズが変わるので先にやってしまいます。余分なところも磨いているということです。この磨き作業を”床面（革の裏面）を洗う”とも言うみたいです。床面の磨き作業は必ずしも必要なことではありません、たぶん。曲がる部分が変な皺になったりで嫌なときもあります。磨いたあとは厚みが若干減って薄くなります。良い革という物を使ったことがないので、よく詰まった革なら減りが少ないんだろうなあ。

こんな感じ。頑張ればもっと行けるかもしれないけど毛羽立ちが押さえられればいいんじゃないかなあ。トラ･血スジ、傷なんかがこの時点で分かることがあります。傷のような物が写真に見えてますねえ。作品の平らなところに使うには影響が無いかもしれなせんが曲げたりするところでは変な曲がり癖になったり、表にも影響が出るのでパーツの取り方に注意します。

■縫い目打ちと裁断

	型を写して縫い穴を菱目打ちで開けてから裁断します。裁断したあとから穴開け失敗すると結構萎えます。裁断時に直角になるようなところは切りすぎないように注意。デザイン上問題なければポンチで丸穴あけたりしてちぎれの防止に。
	ホック用の穴や飾り穴をポンチで開けます。直線で切れるとこを先に裁断。小回りがきくようになってからコーナーの曲線部分などを落としてます。先にコーナーの曲線を切ってから直線を裁断することもあります。

■コバの磨き

	貼り合わせたりしないところのコバを磨きます。コバとは革の切断面を言うらしいです。ヤスリでゴシゴシしてからトコノールで磨きます。磨きにはヘチマを使っています。角はヘリ落としという道具で落とすらしいですが小物なのでヤスリでやっちゃいます。
	この革、磨くと塗装面が変色するなあ。

■後からでは打てないホックを打っておく

	後から打つのが不可能なホックを縫う前に打っておきます。ここはホックの裏側がライトに触れないように裏側にもう一枚革あてるので先に打っておく必要があります
	このパーツも同じ。
	雌側はいつでも打てるから後回し。

■補強パーツの一手間

	真ん中の仕切りを兼ねるパーツなのですがこの革一枚では潰れそうです。もう一枚貼って強度を出すつもりですが、カブセの部分も兼ねているので一部だけ厚くします。貼った時に段差になると入れるときに不便です。貼るパーツは端の方をうすくして引っかからないようにしたいと思います。
	これが真ん中の境が潰れないようにするための補強のパーツ。緩やかになじませるためにかぶせの途中まで長く引き出しています。　曲げのしなやかさが損なわれないように出来るだけ薄く薄く。剥ぎ機も一発で剥ぐテクもないのでカッターでチマチマと削ります。
	ほとんどギン面の薄皮状態です。出来上がってから分かったのですが、このくらいにしても内輪差抵抗？＋接着剤によって随分抵抗になりました。
	いざ合体！。

■ギン面の塗装を落として接着剤の付きを良くします

	吟面や塗装面にパーツをくっつけるところの表面を削ってボンドの食いつきを良くします。カッターでゴリゴリと。
	ここはベルト通しのパーツを付けるところ。同じようにゴリゴリ・・・。
	直角に曲げることになる部分なのでココは薄くして曲がりやすく。強度は落ちますが・・・。
	いつの間にか完成しているベルト通しのパーツ。ジャンク革なので皺が・・・。
	接着！接着剤には木工用ボンドか革用の合成ゴムを使っています(両方とも百均の物）。革の汚れやボンドの層によって貼り合わせたところが黒ずむのが悩みの種。どうしても気になるときは着色してしまいますが普段はそのままです。この時点でパーツは２つだけになっています。

■いよいよ縫いです

	この２つのパーツを縫い付けていきます。
	縫い付けたパーツの一端を－
	こんな風に曲げて縫い付けます。
	次はライトを入れる方を曲げて縫い合わせ。
	長い針だと取りませないので、針を折って短くした物で縫います（針の先は丸めてあります）。針は尖っていない方が縫いやすです。
	包む部分の反対側は外縫いで。ココも内縫いで出来ればもっと丸っこく出っ張った部分もなく出来るけど、面倒くさそうなので外縫いで。何となく形が見えてきました。

■最後にホックの雌側を打ちます

	かぶせのホック部分を縫い付ければ出来上がり。
	完成品はこちら